不動産融資における金利引下げ

 ここ数年、不動産投資における金融情勢が大きく変化しております。某金融機関の不正融資問題を皮切りに、他の機関も行政処分を受ける等、TVや新聞で目にした方も多くおられるでしょう。

不正融資の結果、不動産オーナーの頭を悩まされることと言えば、評価額よりも高い融資額と高い金利です。改竄により、物件本来の評価よりもはるかに高い融資が通ってしまい、加えて金利も高いことから、月々のローン支払いが高くなり、支出の変化により返済が厳しくなってしまうケースが多くあります。オーナー様の中には処分して負担を無くそうと検討される方もおられますが、実際の評価額よりも融資額が高いので、自身の預貯金から捻出しない限り処分ができないケースが多いです(※売買時のトラブルについては、今後掲載します)。

 ただ、あまり詳しく報道はされておりませんが、金融機関によっては救済処置のような形で、負担の大きくなってしまったオーナー様からの「金利の引下げ」「一時的な利息払い」等の相談に応じるケースがございます。これは数年前ではあまり考えられない状況です。最近では、不正融資により損害を受けたオーナー様に対して、状況によっては元本の一部カットに応じる金融機関もございます。

 今まで金利の引下げというものは余程のことがない限り応じてもらえませんでしたが、以前とは状況が完全に異なり、金融機関側が歩み寄りを示しております。各金融機関によって対応は異なりますので一概に言うことはできませんが、少しでも可能性があるようであれば、チャレンジしてみる価値は十分にございます。支払額が少しでも変われば、今後の不動産運用にあたっての選択の幅が広がります。現状把握も含め、購入した時の内容や、収支の状況をまとめた上で、融資を受けている金融機関へ相談してみては如何でしょうか。

 

 

文/田村 良